WOMCADOLEというバンド
チョコレートはパイの実派、甘党党員あきらです。
突然ですが、音楽を聞くのが好きでチケット1枚2500円くらいのライブによく行きます。目当てのバンドを追っかける感じですが、たいていよく知らないバンドと一緒に出演するので毎回新しい音楽と出会えます。
色んなバンドを見てきましたが、若手バンドマンあるあるとして
- 音がでかい=カッコイイ、強いと思いがち
- すぐ物騒なこという
- 対バン*1は戦争
以上のことが挙げられます。(個人の感想です)
ちなみにゆるふわ童顔男子でもすぐ殺すとか言いますし、女の子バンドも9割がた誰か一人は口悪い。
そして例に漏れずこれらを全部網羅してるのが今日紹介するこのバンド。
WOMCADOLE
ウォンカドーレ、と読みます。
滋賀の男子4人組バンドです。climbgrowってのもいるんですが、個人的に今滋賀バンドがめちゃアツい。なにがやばいって、持ってる熱量が凄い。エネルギー有り余りすぎている。
まずはちょっと聴いてください。こないだ上がった新アルバムのリード曲です。
ちょっと髪を切ってすっきりしている。でも顔は見えん。
ASIAN KUNG-FU GENERATION初期っぽい歌い方を思い出すのは自分だけではないはず。
ほっそい図体してめっちゃ声出る。転調好きなら他のも聴くといい。
閃光ライオット、というものをご存知でしょうか。SCHOOL OF LOCK!!というラジオが企画した、いわば高校生バンドの頂上決定戦です。今は未確認フェスティバルって名前でやっています。ねごとやぼくりりくんなんかはここで有名になったり。
WOMCADOLEは2013年、この閃光ライオット決勝に出場しました。
何も賞は貰えず終わりました。
さらにベースが脱退、活動休止の期間もありました。順風満帆に進んできたバンドではないのです。
再始動したのは新メンバーが入った2016年からになります。自分がライブを観に行きはじめたのはここからなので、そこからの話をもう少々。
ドラムの安田くん、最近は確認してませんが去年はドラムの皮のとこに「殺」って書いていました。「殺す気でやる」とのこと。やばい。今はグローブしてますが初めて見た時は素手で叩いて血みどろになっていた。昔はメンバーが近寄ると「殺すぞ」って言ってた。やばい。
ちなみにボーカル樋口くんのエフェクターの目印も物騒な言葉でいっぱいです。他の2人も静かに燃えてる。
「音楽」に対しては、色んな考え方があると思います。色んな考え方を持つから色んな音楽が生まれる。そして彼らは音楽を「戦うための武器」だと考えているのだと思います。違うかったらごめんな。
ただその武器は聴衆の心を抉りとるだけじゃなくて、人を守るためにも使われる。そんな曲もきちんとあります。
ただ、演奏中の彼らはまるで闘犬のごとく音に飢えています。1秒たりとも本気じゃない瞬間がないのです。
自分が勝気なせいかはわかりませんが、そんな彼らを見てると本当に勝手にやる気が湧くので、よく聴きにいきます。
あとステージ上では怖いけどステージ降りるとめっちゃ気さくでいい人たち。サインとかすぐくれる。殺すぞとか全然言わない。敬語もちゃんと使える。物販*2はたいていドラムの安田くんが立って店番してます。今は髪型も相まって愛嬌のある野球部の後輩みたい。たまにベースの黒野くんも立ってる。
インディーズバンドの現場を知らないとびっくりされることがよくあるんですが、開演前や終演後は普通にメンバーと喋れます。自分は喋りませんけど。昔からステージの上の人だと思ってしまうと一気に話せなくなるのやめたい。
曲の話をすると、今回のこの「月」は夏目漱石の名言からイメージされたもの。
アルバムの曲目を見ましたが、「21g」は魂の重さではないかなあと睨んでます。
作詞作曲を担うボーカルの樋口くんは「アオキハルヘ」「ワンダー」など自分のことのほかに、ストーリー仕立てのものもよく書きます。「バク」なんかが例。
物語を歌詞にする、それをする人としてまず浮かぶのはBUMP OF CHICKENでしょうか。藤原さんも「ガラスのブルース」から始まり、「かさぶたぶたぶ」「ダンデライオン」など様々な物語を歌っています。
樋口くんは、決して「独創的な物語」は作っていないと思います。同じようなネタを扱ったものも探せばあると思う。ただ、それを唯一つのものとして昇華するのが抜群にうまい。たとえば今回の「月」も、この題材だと確実にバラードにする人の方が多いはず。それを敢えてこの形にする、その方面での独創性と手腕はピカイチだと思っています。
メンバー3人が1995年生まれ、大学生なら春から社会人の年です。 実際大学に通っていたメンバーもいます。人生の岐路を経た彼らの音楽の進化が楽しみです。